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書きかけメモ

* この「書きかけメモ」は、まだ途中のものです。


分子間相互作用からマクロな物性の構築を目指して


私はここで、水蒸気から雲などの変化、つまり気相と液相を結ぶ光化学的な考察を試みたいと思う。しかし時間、実力ともに不十分なため、参考文献をメモしただけで筆が止まっています。そこで、とりあえずの掲載ということで、ご容赦いただきたい。


私はこれまで水分子についての考察は行わなかった。それはCO2に比べてはるかに取り扱いが難しいからだ。水蒸気の場合、二量体や三量体を形成することが知られている。では雲のようなマクロな液体としての物性が生じるのは何分子からだろうか。これは雲の形成メカニズムにも関わる問題ではないかと思う。また、気体と液体では、水分子の放射・無放射緩和過程にどのような相違が起こるのか。さらに水素結合の役割とは何か。これらの問題について幅広く知見を集めたいと思う。



励起寿命の間にほかの分子と相互作用のない場合(孤立分子)と相互作用のある場合(高圧気相分子、溶液系、クラスター分子、固相分子など)とで無輻射過程は実質上異なっている。孤立分子の場合、無輻射過程は分子の準位間の相互作用で等エネルギー的な遷移であり、エネルギーの交換を伴わない。分子間の相互作用のある系でも無輻射遷移の定義は孤立分子の場合と同じである。しかし低振動数の分子間振動あるいは格子振動がきわめて多く存在するため、周囲の分子は熱エネルギーを受け取る“熱浴”として作用する。したがって過剰の振動エネルギーはきわめて速やかに(~10-10秒以下)熱として分子系から溶媒あるいは格子系へ逃げてゆき、この間エネルギーが失われる。

日本化学会編 『実験化学講座 分光Ⅱ』 丸善、(1992)、p340


5「分子間振動」
水の赤外吸収スペクトルから、…(中略)…さらに、800~400cm-1の低波数領域にも、なだらかな吸収バンドが認められる。この領域での吸収は、水分子間の水素結合構造の回転振動(これを「束縛回振」という)に起因するものとされている。
…(中略)…
水分子が、水素結合による「分子集団」として行なう「直線的な振動(束縛並進)」による吸収バンドは、「200cm-1」付近に現れ、さらには、水素結合の曲りに対応する基準振動が「60cm-1」に現れるが、これらの振動エネルギーは50μm以上の「遠赤外線」および「マイクロ波」の吸収に対応している。


6「相転移」
次に、「氷」→「水」→「水蒸気」という水の「状態変化(相変化)」にともなう遷移エネルギーに着目してみると、氷の融解にともなう内部エネルギーの変化は、1分子あたり「0.06eV」であり、蒸発にともなう水の内部エネルギーの変化は、1分子あたり「0.39eV」である。これらの遷移エネルギーは、いずれも遠赤外線の光子エネルギー範囲に含まれている。

高田 紘一他『実用遠赤外線』人間と歴史社、(1999)、p44


水膜の厚さが1~10μmぐらいまでは、上記のような選択性が残るが、層膜の増大とともに、吸収と透過に対する選択性がなくなり、1mm以上の厚さの水膜は、3μm以上の遠赤外線をほぼ100%吸収することが報告されている。

高田 紘一他『実用遠赤外線』人間と歴史社、(1999)、p66


 

水が何らかのエネルギーを吸収して遷移を起こした場合、その作用点によって元の準位に復帰するまでの緩和時間が異なる。軌道電子の遷移が起こった場合には、何らかの化学反応が起こる。格子振動励起が起こった場合は、10-14~10-13秒で緩和する。並進もしくは回転励起が起これば10-11~10-5秒の間に緩和する。
 このように純粋な水の場合は、励起状態からの緩和過程が非常に短く、したがって、励起状態が長時間持続することはない。
 ただし、「固相→液相」、「液相→気相」などの相変態を伴う遷移は、分子集団の中で部分的に進行するので、目視観測が可能なほど緩慢である。

高田 紘一他『実用遠赤外線』人間と歴史社、(1999)、p344


水分子の基準振動の数は、3N-6(N:原子数)、すなわち、3個で、O-H伸縮振動ν1、ν3および変角振動ν2である。これらの振動数は同じH2Oでも、氷、水、水蒸気で異なっている。赤外領域ではこれら基準振動のほかに、これらの高調波、振動-回転、およびこれらが組み合わされた振動、さらに分子間振動など数多くの吸収線が存在する。
 残念ながら、H2Oについては、分子振動に伴う振動吸収帯の絶対強度は理論的に未だ決定されていない。そこで文献などによる赤外光学定数の実測データを基に減衰係数の周波数特性を考察せざるを得ない。

最新光システム総合技術』R&Dプランニング、(1987)、p514

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無放射的なエネルギーの散逸過程の寄与の定式化

無放射的なエネルギーの散逸過程による放射伝達の破綻

一般に、ある温度をもつ物体はシュテファン・ボルツマン則であらわされるような放射を行っていると考えられている。しかし、シュテファン・ボルツマン則やプランク放射は黒体を想定しているために、実際の分子などにそのまま当てはめることはできない。その理由の一つは、「分子の持つスペクトルが連続スペクトルを有していない」ということがあげられる。もう一つ重要な点は、分子衝突などに誘起された「無放射的なエネルギーの散逸過程」による影響が考えられる。



分子衝突は、しばし励起分子から他の基底分子への無放射的なエネルギー移動を誘起し、正味の放射強度を減少させる。特に、この無放射緩和過程があるために、大気を光学的厚さだけの関数としてあらわすことができなくなり、対流圏大気において放射平衡モデルが破綻する原因の一つともなっている。対流圏とも言うように、下層大気では、放射よりも伝導や対流などの「無放射的な伝熱過程によるダイナミクス」がより重要な役割を担っているものと考えられる。

 

プランクの放射式における無放射緩和過程の導入

そこで、実際の気体分子と黒体における放射の違いについて、より明確にするための定式化を行ってみた。方法としては速度論的アプローチを用いて、黒体放射におけるプランクの式に無放射緩和過程の寄与の導入を試みたまず、励起量子準位(N2)から基底量子準位(N1)への放射遷移の速度式は、誘導吸収、自然放射、誘導放出を用いて表すことができる。



dN2 / dt = - ( A + B・I  ) N2 +  B・I・N1

 

ここで、AはアインシュタインのA係数、BはアインシュタインのB係数、Iは場に入射される放射強度である。これを解くと、

 

I(ν,T) = 8hν3 / {c3 [ exp(hν/ kBT) - 1 ] }

 

となる。ここで、hはプランク定数、cは光速、kBはボルツマン定数、Tは温度、νは振動数である。また、このときの放射強度I(ν,T)をE(ν,T) と定義する。

 

E(ν,T) = 8πhν3 / {c3 [ exp(hν/ kBT) - 1 ] }

 

これはプランクの式(プランク分布)とも呼ばれ、ある振動数のスペクトル成分における黒体放射の強度(空洞放射強度)を示している。つまり、黒体放射におけるスペクトル分布はプランクの式によってあらわすことができる。

実際の気体分子は、さらに、分子衝突による無放射緩和過程を考慮する必要があるので、



dN2/ dt = - ( A + B・I + knr ) N2 + ( B・I + kZ ) N1

 

となる。ここで、kZ 、knr は、それぞれ衝突による励起速度および脱励起速度である。



定常状態が近似できる場合、



dN2 / dt = 0



とおくことができ、 式を整理すると、



( A + B・I + knr ) N2 / N1 = B・I + kZ



となる。ここで、両状態間の比を次式のようにボルツマン分布であらわし、



N2 / N1 =exp( - hν / kBT)

 

さらにB・Iについてまとめると、


A + knr -  kZ exp( hν / kBT ) = B・I ・{exp( hν / kBT ) - 1}



となる。ここで、次の関係式を用いてBを消去し、



A= ( 8πhν3 / c3 )・B



さらに、式の簡略化のために次式を定義する(アレニウスの式と同型)。



kZ = exp( - hν / kBT ) ・kET

 

ここで、ボルツマン分布は、hνの励起エネルギーを持つエネルギー準位に分布している分子の割合を示し、kETはその十分な励起エネルギーを持った分子の運動エネルギーから振動エネルギーへのエネルギー移動の速度定数(kT-V)と、ある振動モードから別の振動モードへのエネルギー移動の速度定数(kV-V)の和を意味している。

 

kET = kT-V + kV-V

 

また、モード1個あたりの振動子がもつ平均エネルギーを次式であらわすと、

 

Eos = hν / { exp( hν / kBT ) - 1 }


となる。これは光子1個のエネルギー(hν)に、ボース・アインシュタインの分布関数をかけたものである。これを代入すると、最終的に次の関係式が導かれる。


8πν2 / c3 ・Eos = A / (A + knr) ・I(ν,T) + kET / (A + knr) ・8πhν2 / c3 ・Eos



さらに、黒体放射強度を次式のプランクの式を用いてあらわすと、

 

E(ν,T) = 8πν2 / c3 ・Eos

 

となる。これは、1個のモードあたりの平均エネルギー(Eos)に、単位振動数、単位体積あたりのモード数をかけたものに相当する。これを代入すると、

 

E(ν,T) = A / (A + knr) ・I(ν,T) + kET / (A + knr) ・E(ν,T)

 

となる。これを定性的に理解するために、放射、無放射の各収率を次のように定義し、


Φr = kr / (kr + knr) = A / (A + knr)

 

Φnr = knr / (kr + knr) ~ kET / (A + knr)

 

これを代入すると、


E(ν,T) = Φr ・I(ν,T) + Φnr ・E(ν,T)

 

となり、実際の気体分子のように、無放射緩和過程の寄与がある場合のプランクの黒体放射エネルギーの内訳を明確にすることができるようになった。


ここで、左辺はある振動数成分における完全な黒体放射エネルギーを表している。一方、右辺第一項は実際に観測することができる正味の放射エネルギー、右辺第二項は分子間衝突に誘起された無放射エネルギー移動に消費されるエネルギーの割合を示している。CO2の振動励起状態のように、放射緩和過程の量子収率(Φr)が小さければ、黒体放射であらわされるエネルギーの大部分は必然的に無放射緩和に分配されていることになる。

 

また、上式に、場に入射される放射強度I(ν,T')として黒体放射E(ν,T)を考えるならば、

 

E(ν,T) = (Φr  + Φnr )・ E(ν,T)

  
となり、放射と無放射緩和過程の収率の和が1となることが示される(*)。プランクの放射式は無放射緩和過程の寄与が無視できる場合にのみ当てはまるが、実際には黒体のような理想的な分子は存在しない。

 

もう一つの黒体の条件

もう一つ黒体の条件として、入射された放射をすべて吸収する物質でなければならないというものがある。つまり、あらゆる振動数の振動子をもつことが黒体放射の前提条件の一つとなっている。現実の物体では完全な黒体を作ることはできないため、空洞などを用いて黒体放射の検証が行われている。また、気体分子は基本的に線スペクトルであり、黒体とはかなりかけ離れた存在であるために、分子論的なアプローチなどが必要となってくる。


固体の場合、バンド構造のように電子のエネルギー準位を連続的な分布として取り扱うことができるため、様々な振動数の吸収・放射を行うことができる。また、太陽放射のような連続スペクトルの場合は、分子運動などにより十分にスペクトルが密になった状態の結果であり、実際には様々な量子状態をもった個々の分子の線スペクトルの重なりによって形成されているものと考えられる。

 

* 場に入射する放射強度I(ν,T')として地球放射を想定するならば、地球放射の吸収による大気温の上昇過程として記述することもできる(今回は大気がもつ温度からの仮想的な黒体放射を想定しており、温度一定のもとでの定常解を求めた)。地球放射を想定した場合、今回のような定常解ではなく、外部からの摂動を受けた非平衡状態からの緩和過程として記述する必要があるだろう。

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CO2による「再放射」の量子収率

光熱分光法を用いた無放射緩和過程の測定

分子の励起状態の研究には、分子の吸収・発光過程を利用した吸収分光法や発光分光法などが用いられ、過渡吸収分光法や時間分解蛍光分光法などにより、励起状態のダイナミクスが解き明かされてきた。さらに、放射を伴わない失活過程である無放射緩和過程の研究に対しては、より直接的に放熱過程を追跡するために、光熱分光法が有力な手法として用いられてきた。


光熱分光法には、光音響分光法(Photoacoustic spectroscopy: PAS)や、過渡回折格子法(transient grating: TG)、熱レンズ分光法(thermal lens: TL)などがある。 その中でも、今回、光熱分光法の一種である光音響分光法(PAS)を用いて、N2やO2によるCO2の変角振動励起状態における緩和速度の決定が行われている文献を見つけることができたので、それをもとに放射の量子収率の見積もりを行った。


光音響効果
光音響効果とは、光を吸収した分子が熱を放出し、その熱による体積膨張により音響波(疎密波)を発生する現象のことである。その音響波を圧電素子などにより検出することで、無放射緩和過程について詳細に調べることができる。たとえば、速い無放射緩和過程の割合(量子収率)が大きければ、それだけ信号も大きくなる。また、信号の遅れからデコンボリューション解析などを用いれば、無放射緩和速度を求めることもできる。  


大気中におけるCO2の放射の量子収率

温室効果モデルでは、大気中の温室効果ガスの再放射により下向きの赤外放射フラックスが増え、地表が温められているとの説明がよくなされているが、そこに私は大きな疑問を持っている。大気中の温室効果ガスが、再放射を果たしてどのくらいの割合で行っているのか、詳しく検討する必要があるのではないだろうか。


そこで次に示す文献には、「光音響効果」を用いてCO2の15μmの吸収ピークに相当する変角振動の緩和速度が決定されているので、その値を用いて大気中におけるCO2の赤外発光の量子収率について見積もってみたいと思う。


Vibrational relaxation in CO2-N2 and CO2-O2 mixtures is studied via the optic-acoustic effect.

The relaxation of the bending vibration of CO2 by N2 and O2 can be explained by a simple one-step relaxation. For CO2-N2 a relaxation time of 12.8 ± 1.5 μs atm is obtained, for CO2-O2 8.8 ± 0.3 μs atm.


Vibrational relaxation of CO2 in CO2-N2 and CO2-O2 mixtures, F. Cannemeyer and A. E. De Vries, Physica, 74, 1, 196-204(1974)


上記文献によると、CO2の変角振動の緩和寿命の値は、N2によるものが、12.8±1.5μs atm、一方、O2によるものが、8.8±0.3μs atmと、それぞれ決定されている。これらの寿命を逆数にしたものが、緩和の速度定数となる。
たとえば、N2による緩和速度定数は、


τN2-1 = 1/(12.8μs atm) = 7.8×104(s-1 atm-1)


O2による緩和速度定数は、


τO2-1 = 1/(8.8μs atm) = 1.1×105(s-1 atm-1)


と、それぞれ求まる。
それらの値を用いて大気中のCO2の緩和の速度定数(k)の見積もりを行うと、


k = 7.8×104(s-1 atm-1)*(0.78atm) + 1.1×105(s-1 atm-1)*(0.2095atm)


k = 8.4×104(s-1)


となる。緩和の速度定数は、自然放射の速度定数と、無放射緩和の速度定数の和で表すこともできる。


k = kr + knr  


一方、自然放射寿命(τr)は、吸収断面積(20.2m2/mol)から、


τr = (109 / 4)× (1.5 λ02 / σ) =1.5×109×(15×10-6)2/(4×20.2) = 0.0042


となる。そして、自然放射の速度定数(kr)は、自然放射寿命(τr)の逆数で表される。


kr = 1/τr = 1 / 0.0042



kr  = 2.38×102(s-1) 


この自然放射の速度定数はアインシュタインのA係数に等しい。さらに吸収断面積からはアインシュタインのB係数が求められる。また、アインシュタインのA係数とアインシュタインのB係数は比例関係にあるため、吸収断面積が分かれば自然放射の速度定数を求めることができる(「温室効果ガスの分光学」も合わせて参照されたい)。


ここで、放射の量子収率(Φr)は各緩和過程の速度定数を用いて求めることができる。


Φr = kr / (kr + knr)   


したがって、放射の量子収率(Φr)は、


Φr = kr / (kr + knr)  = 2.38×102 / 8.4×104


Φr = 0.0028


と求められた。この結果、CO2の変角振動励起状態からの赤外発光過程である「再放射」の割合は、約0.3%と非常に低い値であることがわかった。残りの99.7%は分子衝突に伴う分子間エネルギー移動などによって無放射緩和過程を経て失活するものと考えられる。つまり、CO2の振動励起状態は放射を伴わずに失活する割合の方がはるかに高い。移動した励起エネルギーは、他の分子の振動、回転、並進運動などに分配され、さらに分子内モード分配などの緩和が起こる。ボルツマン分布に従えば、最終的に大部分の励起エネルギーは大気中の大半を占める窒素分子か酸素分子の回転あるいは並進運動エネルギーへ分配されることになるだろう。


この非常に小さな放射の量子収率の値は、高感度な検出システムが必要となることを意味している。しかも、大気中に含まれるCO2の割合は、わずか400ppm(0.04%)程度と、非常に微量である。これは、100万個に1個の割合で起こる微弱発光を観測することに相当する(0.04%×0.3% = 1.2 × 10-6)。おそらく、一般に市販されている放射温度計で大気中の温室効果ガスによる放射を測ることは非常に難しいことではないだろうか。たとえば、前にも「
再放射の可能性について」というエントリーで紹介したことだが、HORIBAの説明によると、

空気は、赤外線の放射エネルギー量が非常に小さい(放射率が小さい)ので、測定することはできません…(中略)…ところで、晴れた空に放射温度計を向けて測定するとどうなるのでしょうか?
この場合は、下限の測定レンジオーバーになります。
理由は、宇宙空間から放射される非常にわずかな赤外線エネルギー(一部は大気中で吸収されます)と大気層からのわずかな放射エネルギーを測定していることになるからです。

HORIBA : 放射温度計プラザ


大気中に含まれている水蒸気(H2O)や炭酸ガス(CO2)は、特定の波長の赤外線を強く吸収します。このため、大気中で全放射温度計による測定を行うと、被測定物の放射が正しく温度計に伝わらず、精度の高い温度測定は難しくなってしまいます。
しかし、8~14μmの波長領域には、大気の影響による吸収はほとんどありません(図2)。したがって、この領域の波長を利用することによって、大気の影響を受けずに被測定物の温度を測定することができます。

HORIBA : 放射温度


と説明されており、むしろ、大気の吸収により、放射体の測定に支障をきたすとしている。放射温度計は水蒸気やCO2などによる吸収を避けるために、大気の窓領域を利用して測定を行ったりもするようだが、大気の窓領域において赤外発光を行う大気分子とは一体なんであろうか。それは、雲ないし、水蒸気による連続吸収帯からの発光ということになるのかもしれない。 


温暖化のモデルでは、放射平衡や放射強制力など、やたらと放射という言葉が出てくるが、そもそもCO2にとって放射過程は非常にマイナーな失活チャンネルである。大気は放射体というよりも、むしろ放射の吸収体である。雲など一部の物質を除いて大気の赤外発光を観測することは、実験室などで用いられるような高感度な検出システムでなければ容易なことではないだろう。このような微量な大気成分であるCO2のマイナーな再放射過程が気候に著しい影響を及ぼすとは非常に考えづらいことだ。大気から地表への伝熱過程において、CO2による再放射過程は、あくまでマイナーなエネルギーの散逸過程の一つに過ぎないのではないだろうか。

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微視的な視点からの温度の理解へ向けて

気相中における分子の振る舞いについて


微視的な視点で温度を理解するためには、気相中における分子の振る舞いについての理解を深める必要がある。そこで、文献などから参考になりそうな記述をいくつか抜粋しまとめた(改行、省略は任意)。

気相では溶媒の極性や分極率などの影響を常に受けることはなくなり、衝突を通して周囲の分子の影響を受ける。衝突回数は圧力により決められ、たとえば1気圧の室温の窒素中で1個の窒素分子が受ける衝突頻度は毎秒約7×109回であり、平均して約0.14nsに1回衝突していることになる。衝突により分子は種々の緩和を起こす。緩和時間は分子の種類により変わるが、分子の運動状態にも依存する。最も緩和を受けやすいのは並進運動と回転運動で、数回の衝突でその運動状態は変わるが、振動は一般に緩和を受けにくく、1,000回以上の衝突が必要である。

日本化学会編 『光化学の基礎と先端研究』 学会出版センター、 p3


凝縮相から眺めて分子環境をミクロ化していくと、微小液滴や(サブ)ミクロン粒子にたどり着くが、その中にある蛍光物質の輻射寿命は依然としてなお凝縮相のものと同じで、孤立分子のτr0から凝縮相のτr(n)へ移行する中間の分子環境はどのようなものか解明されておらず、現在でもいわばmissing linkとなっている。

日本化学会編 『光化学の基礎と先端研究』 学会出版センター、 p19


振動状態に変化をもたらす衝突過程はいくつかのタイプに分けられる。衝突の相対運動エネルギーが分子内の振動エネルギーに変換される過程(T-V過程)と一つの振動モードから別の振動モードへエネルギーが移動する過程(V-V過程)とが基本的なタイプであるが、V-V過程に関与する二つの振動モードが同一分子内にあるか、あるいは異なった種類の分子に属するかによって“分子内V-V過程”あるいは“分子間V-V過程”に区別され、また回転状態の同時遷移を強調する場合には、たとえば“振動→回転(V→R)過程”あるいは“振動→並進、回転(V→T,R)過程”などと区別される。このようなエネルギー移動に関する実験的な情報は、外部から加えられた何らかの摂動によって非平衡状態におかれた気体系が何回かの分子衝突を繰り返しつつ平衡状態へ復帰する過程(緩和過程)を観測することによって得られる。

日本化学会編 『非平衡状態と緩和過程』 学会出版センター、 p12


振動エネルギー分布の非平衡状態においては、1)モード内V-V過程、2)モード間V-V過程、3)V-T過程、の三つのタイプの衝突エネルギー移動によって振動緩和が進行する。1)の過程は同一モード内の振動エネルギーをBoltzmann分布に向けて急速に再分配する。2)の過程は異なったモードの振動温度を互いに等しくし、3)の過程は振動温度を並進温度と等しくする作用をもつ。

日本化学会編 『非平衡状態と緩和過程』 学会出版センター、 p43


巨視的な系に起こる変化が微視的過程と異なった新しい法則を示すのは、その自由度の数が圧倒的に大きいからである。このように巨視的な系が統計的な平衡状態へ近づいていく現象すべてを総称して“緩和現象”という。

日本化学会編 『非平衡状態と緩和過程』 学会出版センター、 p196


微視的過程を分子間衝突の種類によって分類してみると、並進の自由度だけが関与する弾性衝突、原子の組み換えを伴わず内部自由度だけが変化をする非弾性衝突と、原子の組換えを伴う反応性衝突とになる。これらの衝突の頻度はそれぞれ異なっていることが多い。常温では弾性衝突の数が非常に多く、その次が非弾性衝突、反応性衝突の順になっている。そのために並進自由度が反応性衝突や非弾性衝突によって平衡分布からずらされたとしても、かなり速く、たとえば10-13秒程度で回復する。

日本化学会編 『非平衡状態と緩和過程』 学会出版センター、 p199


生成物の“発生期(nascent)”の分布、すなわち、衝突によって緩和されない分布を観測するためには、分子が衝突脱活性を受ける前に放射を行うことができなくてはならない。赤外の寿命はミリ秒程度である。このことは実験を極端に低い圧力で行わなくてはならないことを意味するが、これはまたシグナルの強度を減らすことでもある。この両方の条件に合うことを保障する手立てがPolanyiが工夫した“制限緩和(arrested relaxation)法”を使うことである。


この技術では反応を非常な低温、たとえば20K(液体水素によって)に壁を冷やした容器内で行わせる。こうすると容器は低温脱気されるため、すべての生成物や反応しなかった出発物質は壁に凝縮し、排気される前に放射を行う生成物分子だけが観測される。また、低温なので検出器やフィルターの熱雑音や黒体のバックグラウンドを減らすことになり、弱い赤外化学発光のシグナルを観測するための困難を減少できる。

Jeffrey I. Steinfeld, William L. Hase, Joseph S. Francisco 『化学動力学』 東京化学同人、p270


赤外線化学発光の研究を困難にしているもう1つの問題は、励起振動状態の放射寿命が比較的長く(10-3~10-2s)、励起分子が赤外線を放射する以前に共存する分子と衝突して反応直後の状態とは異なる温度平衡状態となりやすいことである。したがって、赤外線化学発光が観測できる反応は、その速度定数が分子衝突によるエネルギー移動速度に比べて大きいものに限られる。すなわち、原子やラジカルの反応で大きな発熱反応熱をもつものが研究対象とされた。

土屋荘次編 『レーザー化学―分子の反応ダイナミックス入門』 学会出版センター、p4


赤外領域の自然発光の寿命は10-3s以上である。したがって、発光強度の積分値が一定とみなせる場合、励起直後の赤外発光の強度は、寿命とほぼ逆比例の関係にある。光励起によって到達した振動準位が、他の非放射性の準位と混合していると、発光の寿命はいわゆるDouglas効果*(Douglas、1966)により引き延ばされる。この結果、発光強度が小さくなる。このようにして、励起直後の発光強度は、振動準位間の混合の程度を表す尺度となる。

土屋荘次編 『レーザー化学―分子の反応ダイナミックス入門』 学会出版センター、p97




ブラウン運動と花粉をめぐる科学者の誤解: 科学者は「裸の王様」

科学の分野で、よく引用される定番の話の中には間違って伝わっているものが少なからずある。これはおそらくもとの文献を読んでいなかったり、あるいは、誰かが間違って引用したものをそのまま孫引きをしたりすることで生じている場合もあるのかもしれない。たとえば、板倉聖宣は『思い違いの科学史』という本の中で、岩波洋造氏の以下の文章を引用し、


ところで、花粉は水の中でほんとうにブラウン運動をするのであろうか。本文中にくわしくのべられているように、花粉の大きさは、ふつう三〇μ(ミクロン)から、五〇μくらいで、大きなものは一〇〇μから二〇〇μもある。こんな大きな粒子が水の分子運動によって起こるブラウン運動をするはずがない。事実、著者は二〇年近くも毎日、花粉を顕微鏡で見ているが、花粉が水の中でびくびく動いているところなど見たこともない。…(中略)…


当時ブラウンが見たのは花粉そのものではなく、花粉の中に含まれているデン粉粒などの細粒子の動きであったからである。今日、多くの人が“花粉を水に入れると動く”と思い込んでいるのは、おそらく最初にブラウン運動を紹介した日本の偉い物理学の先生が、花粉粒の粒と花粉の中の細粒子の粒とを混同して訳してしまったためであろう。これは本に書かれていることが、正しいことのみとはかぎらないことの一例である。(岩波洋造『植物のSEX』一八~一九ページ)

青木国夫他 『思い違いの科学史』 朝日新聞社、p244


上記のように、花粉が水の中でブラウン運動をしない事を告げ、さらに、長岡半太郎の『東京物理学校雑誌』や1935年発行の『岩波物理学辞典』、1953年に出た平凡社の『理科事典』、朝永振一郎編(ブラウン運動の節は花輪重雄執筆)の『物理学読本』、湯川秀樹他『素粒子』など、いたるところで誤った表現がなされていることを指摘している。さらに、次のように述べている。


それは昔、だれか偉い一人の先生が間違えたのをそのままうけついだだけ、とはいえそうにはない。大部分の物理学者は、花粉がさらに壊れて微粒子が出てくるなどということは考えてみたことがないので、たとえ「花粉に含まれている微粒子」「花粉から出てくる微粒子」という言葉を見ても、それも花粉のことだろうと思ってしまう傾向が強いのである。その上、昔から「花粉がブラウン運動をする」という話をきき知っていて、しかも自分自身でその花粉を水に浮かべて顕微鏡で見たことがない、となれば、これでは間違いを訂正しようもない。…(中略)…


すでに、十分研究されている事柄だからといって、それが啓蒙書や教科書に書かれるとき必ずしも正しく書かれるとはいえない。―これは科学の教育や啓蒙に関する研究が科学そのもの研究とは独立に真剣に行われる必要があることを意味している。なにしろ、いまの科学者は啓蒙書や教科書を書くにはあまりにも専門化しすぎていて、そこに書かれることを十分知っているとはいえなくなってきているからである。その弱点が、植物学と物理学の境界の問題であったブラウン運動の話に、集中的にあらわれたというわけである。

青木国夫他 『思い違いの科学史』 朝日新聞社、p260


板倉聖宣が指摘した状況は現在でもあまり改善されている様子はなさそうだ。たとえば、分子生物学の研究者である福岡伸一は、最近、出版された『生物と無生物のあいだ』の中で、こう記している。


原子そのものの動きを直接見ることはできないが、小さくて軽い粒子、たとえば水面に浮かぶ花粉や空気中に浮かぶ霧(微小な水滴)の動きなら顕微鏡を使って追うことができる。すると粒子は絶え間なく非常に不規則な動きをしていることがわかる。これがブラウン運動と呼ばれるものだ。

福岡伸一 『生物と無生物のあいだ』 講談社、p138


しかし、正確に伝えている本も、まったくないわけではない。たとえば、垣谷俊昭は、『光・物質・生命と反応(上)』の中で、こう記している。

1827年にイギリスの植物学者ブラウンは水を吸って破裂した花粉から出る微粒子が水中で不規則に激しく動くことを顕微鏡下に観測し、初め生命による運動と思ったが、化石の粉から鉱物の粉、煙の粒子などまで、粒子さえ微小なら同種の運動をすることを発見した。その後この現象は微粒子を取り巻く多数の水分子がランダムに衝突し、その結果微粒子がランダムに動かされることによることが明らかになった。

垣谷俊昭 『光・物質・生命と反応―物理と化学の視点から〈上〉』 丸善、 p181

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太陽活動の変動周期メカニズムの謎

数十年から数百年規模で起こる太陽黒点の長期周期のように、太陽活動の変動に対するメカニズムはいまだ謎が多く、未解明なまま残されている。しかし、太陽活動と気候の関係や、果ては経済の浮き沈みとの関係まで指摘する声も少なくない。


イースターブルックの予測
氷河などの地質学の専門家であるDon J. Easterbrookは、気候と太陽活動の関係にも注目しており、ベーカー山の氷河の後退と進展の周期が太陽活動の変動やPDO(太平洋十年規模振動)と相関関係を示すことを明らかにした。


 solar-induced-PDO

PDF file of Powerpoint presentation


さらに、Easterbrookは、CO2などの温室効果ガスよりも太陽活動を重視としたときの今世紀の気温変化を次のグラフのように予測している。


Easterbrook

Global warming: Are we heading for global catastrophy in the coming century? (Global climate changes, global warming)


このグラフによると今後2040年ごろまでは若干の寒冷期に入ると予測されている。この予測は、これまでの寒冷期と温暖期の周期がそのまま繰り返されるとしたときのものであり、観測された太陽活動の周期的な変動による経験則から導き出されたものだ。実際にこの予測の通りに行くかは誰にも分からないと思うが、ロシアの科学者でも今後寒冷化すると予測しているものもいるようだ。


太陽の熱放射の活発化を研究している天文物理学者は、活発化が2つのサイクルで起こることを発見した。11年縁サイクルと2世紀のサイクルで起こるのだ。どちらのサイクルになるかは太陽の発行表面の半径と面積の変化によって違ってくる。最近のデータによれば、(私は、プルコフ天文気象所宇宙研究所のハビブルルイ・アブサマトフ所長のデータを尊重しているが)、すでに2012年までには、肌で感じるほどの寒冷がやって来ると信じている。寒冷気候は、少なくとも、50-60年は続くだろう。

温暖化議論は早晩、寒冷化論議に取って代わられる, オレグ・ソロフチン, ロシア・ノーヴォスチ通信


無黒点
現在、太陽黒点がまったくない状態が観測されており(低温注意報)、2004年にも無黒点の日が何日か観測されている(太陽活動サイクルにばらつき)。もっとも今は太陽黒点の11年周期の極小期に該当するので、しばらくすれば、また黒点が復活するものと予測されている(Sunspot index graphics)。


ちなみに、2006年当時の国立大気研究センター(NCAR)の研究者らの見解によると、「活発化へ転じる時期は、従来の予測より1年ほど遅く、2007年後半から08年初めになる」とされていた(参考:太陽活動再び活発化へ)。


次のサイクルの極大については、「2011年ごろで極大のときの黒点数は140前後でけっこう活発になるというもの、もうひとつは次の極大は2012年ごろで極大のときの黒点数は90前後とそれほど活発にはならない」という二つの論に分かれているようだ(NICT トピックス)。


いずれにせよ、今後の太陽活動の動向には、もっと注目が向けられてもいいように思う。太陽活動の指標は太陽黒点のみで判断することはできないが、かといって完全に無視できるものでもない。これからの太陽活動と気候の関係の研究の発展にも期待したい。


太陽黒点のメカニズムについて b.太陽の活動
黒点情報 宇宙天気情報センター(NICT)
太陽の動向について 宇宙天気ニュース
最新の太陽画像 The latest MDI Continuum images

 

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理論物理学による温室効果に対する反証

分光学・光化学の分野でCO2温暖化説に疑問を呈する人は少なくないようだが、理論物理学の分野からも反証があがっている。前回紹介した文献は理論物理学的な視点からの温室効果に対する反証である。今回はAbstractと第五章のPhysicist's Summaryについて紹介する。機械翻訳を用いたので意味の通らないところもあると思うが、とりあえずということで参考にされたい。


Falsification Of The Atmospheric CO2 Greenhouse Effects Within The Frame Of Physics, Gerhard Gerlich and Ralf D. Tscheuschner, arXiv:0707.1161v3 [physics.ao-ph](2007)



Abstract
The atmospheric greenhouse effect, an idea that authors trace back to the traditional works of Fourier 1824, Tyndall 1861, and Arrhenius 1896, and which is still supported in global climatology, essentially describes a fictitious mechanism, in which a planetary atmosphere acts as a heat pump driven by an environment that is radiatively interacting with but radiatively equilibrated to the atmospheric system. According to the second law of thermodynamics such a planetary machine can never exist.


大気の温室効果(この考えは、著書によると、フーリエ(1824)、ティンダル(1861)、アレニウス(1896)の伝統的な仕事にまで遡り、そして、地球気候学ではいまだに支持されている)は、本質的に架空のメカニズムを説明します。
そこでは、惑星大気は放射的に相互作用しているだけでなく、大気システムと放射平衡にある環境によって駆動するヒートポンプとして働くとされる。 熱力学の第2法則によると、そのような惑星のマシーンは決して存在することができません。


Nevertheless, in almost all texts of global climatology and in a widespread secondary literature it is taken for granted that such mechanism is real and stands on a firm scientific foundation. In this paper the popular conjecture is analyzed and the underlying physical principles are clarified.


それでも、地球気候学のほとんどすべてのテキストと広範囲にわたる二次的な文献において、そのようなメカニズムが本物で、安定した科学的な基礎に立っていることは、当然のことと思われています。本論文では、一般的に知られた推測が分析され、そして、根底にある物理学的な原理が明らかにされます。


By showing that (a) there are no common physical laws between the warming phenomenon in glass houses and the fictitious atmospheric greenhouse effects, (b) there are no calculations to determine an average surface temperature of a planet, (c) the frequently mentioned difference of 33℃ is a meaningless number calculated wrongly, (d) the formulas of cavity radiation are used inappropriately, (e) the assumption of a radiative balance is unphysical, (f) thermal conductivity and friction must not be set to zero, the atmospheric greenhouse conjecture is falsified.


(a) 温室の温暖化現象と架空の大気の温室効果の間に共通の物理法則はない、
(b) 惑星の平均表面温度を決定するための計算はない、
(c) 頻繁に言及される摂氏33度の違いは、誤って計算された無意味な数である、
(d) 空洞放射の式は不適切に使用されている、
(e) 放射収支の仮定は非物理学的である、
(f) 熱伝導率と摩擦をゼロに設定してはならない、
(a)~(f)を示すことにより、大気の温室の推測は反証されます。




5 Physicist's Summary


A thorough discussion of the planetary heat transfer problem in the framework of theoretical physics and engineering thermodynamics leads to the following results:


理論物理学と工業熱力学の枠組みにおいて、惑星伝熱問題に関する完全な議論は以下の結果を導きます:


1. There are no common physical laws between the warming phenomenon in glass houses and the fictitious atmospheric greenhouse effect, which explains the relevant physical phenomena. The terms "greenhouse effect" and "greenhouse gases" are deliberate misnomers.


1. 温室の温暖化現象と、関連する物理現象を説明する架空の大気の温室効果の間に、共通の物理法則はありません。 用語「温室効果」と「温室効果ガス」は、故意の誤称です。


2. There are no calculations to determinate an average surface temperature of a planet
with or without an atmosphere,
with or without rotation,
with or without infrared light absorbing gases.
The frequently mentioned difference of 33 ℃ for the fictitious greenhouse effect of the atmosphere is therefore a meaningless number.


惑星の平均表面温度を決定する計算法はありません、
大気の有無にかかわらず、
回転の有無にかかわらず、
赤外光を吸収するガスの有無にかかわらず。
しばし言及される大気の架空の温室効果に対する33℃の違いは、したがって、意味のない数です。


3. Any radiation balance for the average radiant flux is completely irrelevant for the determination of the ground level air temperatures and thus for the average value as well.


3.平均放射フラックスのためのいかなる放射収支も、地表面気温の決定(このような平均値の決定と同様に)に対して、完全に無関係です。


4. Average temperature values cannot be identified with the fourth root of average values of the absolute temperature's fourth power.


4.平均温度の値は、絶対温度の4乗の平均値の「四乗根」と同一視することができません。


5. Radiation and heat flows do not determine the temperature distributions and their average values.


5. 放射と熱の流れは、温度分布とそれらの平均値を決定しません。


6. Re-emission is not reflection and can in no way heat up the ground-level air against the actual heat flow without mechanical work.


再発光は反射ではないし、機械的な仕事なしに実際の熱の流れに逆らって地上空気を加熱することはできません。


7. The temperature rises in the climate model computations are made plausible by a perpetuum mobile of the second kind. This is possible by setting the thermal conductivity in the atmospheric models to zero, an unphysical assumption. It would be no longer a perpetuum mobile of the second kind, if the "average" fictitious radiation balance, which has no physical justification anyway, was given up.


7. 第2種永久機関は、気候モデル計算における温度上昇をもっともらしくします。 これは(非物理的な仮定である)大気モデルに熱伝導率をゼロに設定することによって可能です。 「平均した」架空の放射収支(とにかくどんな物理学的な正当性も持っていない)を放棄したのならば、それはもはや第2種永久機関となるだろう。


8. After Schack 1972 water vapor is responsible for most of the absorption of the infrared radiation in the Earth's atmosphere. The wavelength of the part of radiation, which is absorbed by carbon dioxide is only a small part of the full infrared spectrum and does not change considerably by raising its partial pressure.


8. Schack(1972)以後、水蒸気は地球大気における赤外線の吸収の大部分の原因です。 二酸化炭素によって吸収される放射部分の波長は全赤外スペクトルの小さい部分だけであり、それはかなり分圧を上げても変化しません。


9. Infrared absorption does not imply "backwarming". Rather it may lead to a drop of the temperature of the illuminated surface.


9. 赤外線の吸収は「backwarming」を含意しません。 むしろ、それは照らされた表面温度のわずかな低下に通じるかもしれません。


10. In radiation transport models with the assumption of local thermal equilibrium, it is assumed that the absorbed radiation is transformed into the thermal movement of all gas molecules. There is no increased selective re-emission of infrared radiation at the low temperatures of the Earth's atmosphere.


10. 局所熱平衡の仮定をともなう放射伝達モデルでは、吸収した放射はすべての気体分子の熱運動に変換されるとみなされます。 低温の地球大気における赤外放射の選択的な再放出の増加はありません。


11. In climate models, planetary or astrophysical mechanisms are not accounted for properly. The time dependency of the gravity acceleration by the Moon and the Sun (high tide and low tide) and the local geographic situation, which is important for the local climate, cannot be taken into account.


11. 気候モデルにおける、惑星、または、天体物理学のメカニズムは、適切な説明がなされていません。 月と太陽(満潮と干潮)と局所的な地理的状況(局所的な気候に重要)による重力加速の時間依存性は、考慮に入れることができません。


12. Detection and attribution studies, predictions from computer models in chaotic systems, and the concept of scenario analysis lie outside the framework of exact sciences, in particular theoretical physics.


12.検出と属性の研究、カオス・システムにおけるコンピューターモデルからの予測、そしてシナリオ解析の概念は、精密科学(特に理論物理学)の枠組みの外側にあります。


13. The choice of an appropriate discretization method and the definition of appropriate dynamical constraints (flux control) having become a part of computer modelling is nothing but another form of data curve fitting.

The mathematical physicist v. Neumann once said to his young collaborators: "If you allow me four free parameters I can build a mathematical model that describes exactly everything that an elephant can do. If you allow me a fifth free parameter, the model I build will forecast that the elephant will fly." (cf. Ref. [185].)


13. 適切な離散化の方法の選択と適切な力学的な制約(フラックス・コントロール)の定義はコンピュータ・モデリングの一部になっており、それはデータ曲線のあてはめ(フィッティング)のもう一つの形式以外の何ものでもありません。

数理物理学者ノイマンは、かつて彼の若い共同研究者に言いました:「あなたが4つの自由なパラメータを私に与えるならば、私は、象がすることができるすべてを正確に記述する数学的なモデルを造ることができます。「5番目の自由パラメータを許して頂けると、私が造るモデルは、象が飛ぶと予測するでしょう。」(参照Ref.[185])


14. Higher derivative operators (e.g. the Laplacian) can never be represented on grids with wide meshes. Therefore a description of heat conduction in global computer models is impossible. The heat conduction equation is not and cannot properly be represented on grids with wide meshes.


14.より高い微分演算子(例えばラプラシアン)は、格子を幅の広いメッシュによって表すことは決してできません。したがって、グローバルなコンピュータ・モデルの熱伝導の説明は不可能です。熱伝導方程式は、幅の広いメッシュで格子が適切に表されることはないし、適切に表すこともできない。


15. Computer models of higher dimensional chaotic systems, best described by non-linear partial differential equations (i.e. Navier-Stokes equations), fundamental differ from calculations where perturbation theory is applicable and successive improvements of the predictions - by raising the computing power - are possible. At best, these computer models may be regarded as a heuristic game.


15. 非線形偏微分方程式(すなわち、ナビエ-ストークス方程式)で一番よく説明される、より高次元のカオス・システムのコンピュータ・モデルは、摂動論が適用可能で(コンピュータ・パワーの上昇による)予測の連続した改良が可能な計算と基本的に異なっています。 せいぜい、それらのコンピュータモデルは演繹的なゲームと見なされるかもしれません。


16. Climatology misinterprets unpredictability of chaos known as butterfly phenomenon as another threat to the health of the Earth.


16. 気候学は地球の健康に対するもうひとつの脅威としてバタフライ現象として知られているカオスの予測不可能性を誤解しています。


In other words: Already the natural greenhouse effect is a myth albeit any physical reality. The CO2-greenhouse effect, however is a "mirage" [204].

The horror visions of a risen sea level, melting pole caps and developing deserts in North America and in Europe are fictitious consequences of fictitious physical mechanisms as they cannot be seen even in the climate model computations. The emergence of hurricanes and tornados cannot be predicted by climate models, because all of these deviations are ruled out. The main strategy of modern CO2-greenhouse gas defenders seems to hide themselves behind more and more pseudoexplanations, which are not part of the academic education or even of the physics training.


言い換えると:どんな物理学的な事実があっても、自然の温室効果はすでに神話とかしています。そのCO2温室効果は、しかし「蜃気楼」です。

上昇した海面、極冠の融解、北アメリカやヨーロッパの砂漠の進行などの恐怖のビジョンは、気候モデル計算においてさえ見ることのできない架空の物理的なメカニズムの架空の結果です。 これらの逸脱の全てが除外されるので、ハリケーンと竜巻の発生は気候モデルで予測することができません。

現代のCO2温室効果ガス擁護者の主要な戦略は、ますます多くの偽りの説明の背後に隠れようとしているように見えます。ウソの説明は大学教育の一環としてだけでなく、物理学のトレーニングとしてさえ行われているのです。


A good example are the radiation transport calculations, which are probably not known by many. Another example are the so-called feedback mechanisms, which are introduced to amplify an effect which is not marginal but does not exist at all.

Evidently, the defenders of the CO2-greenhouse thesis refuse to accept any reproducible calculation as an explanation and have resorted to unreproducible ones. A theoretical physicist must complain about a lack of transparency here, and he also has to complain about the style of the scientific discussion, where advocators of the greenhouse thesis claim that the discussion is closed, and others are discrediting justified arguments as a discussion of "questions of yesterday and the day before yesterday". In exact sciences, in particular in theoretical physics, the discussion is never closed and is to be continued ad infinitum, even if there are proofs of theorems available.


よい例は放射伝達計算です。(その計算はたぶん多くによって知られていません)。 別の例はいわゆるフィードバック・メカニズムです。(そのフィードバック・メカニズムは、わずかではなく、全く存在しない効果を増幅するために導入されます)。

明らかに、CO2温室論の擁護者は、どんな再現可能な計算も説明として受け入れるのを拒否し、再現不可能な計算に頼ろうとします。理論物理学者は、ここで透明性の欠如について不満を言わなければなりません、また、科学的な議論のスタイルについても不満を言わなければなりません(つまり、温室論の支持者が議論は終了したと主張したり、また、あるのものは正当な論争を「昨日、一昨日の質問」の議論としては信用できないと主張したりする、そのことについてです)。精密科学において、特に理論物理学では、議論は決して終了することはなく、たとえ、利用可能な定理の証明があっても、終わることなく続けられます。


Regardless of the specific field of studies a minimal basic rule should be fulfilled in natural science, though, even if the scientific fields are methodically as far apart as physics and meteorology:
At least among experts, the results and conclusions should be understandable or reproducible. And it should be strictly distinguished between a theory and a model on the one hand, and between a model and a scenario on the other hand, as clarified in the philosophy of science.

特定の分野の研究に関係なく、最小の基本的な規則は自然科学で満たされなければなりません、たとえ科学的なフィールドが物理学と気象学と同じくらいに離れている方法論だとしてもです:
少なくとも専門家の間で、結果と結論は理解可能か、再現可能でなければなりません。そして、科学哲学で分類されるように、理論とモデルについて、また、モデルとシナリオについて、厳密に区別すべきです。


That means that if conclusions out of computer simulations are to be more than simple speculations, then in addition to the examination of the numerical stability and the estimation of the effects of the many vague input parameters, at least the simplifications of the physical original equations should be critically exposed. Not the critics have to estimate the effects of the approximation, but the scientists who do the computer simulation.


それは次のことを意味します。もしコンピュータ・シミュレーションから出た結論が単純な推測よりも多くなるのならば、(数値的な安定性に対する試験と多くのあいまいな入力パラメータの影響に対する見積りに加えて)少なくとも物理学的にオリジナルな方程式の単純化は批判にさらされるべきです。 批評家がする必要はないが、コンピュータ・シミュレーションをする科学者はその近似に対する効果を見積もらなければなりません。


"Global warming is good … The net effect of a modest global warming is positive." (Singer). In any case, it is extremely interesting to understand the dynamics and causes of the long-term fluctuations of the climates. However, it was not the purpose of this paper to get into all aspects of the climate variability debate. The point discussed here was to answer the question, whether the supposed atmospheric effect has a physical basis. This is not the case.

In summary, there is no atmospheric greenhouse effect, in particular CO2-greenhouse effect, in theoretical physics and engineering thermodynamics. Thus it is illegitimate to deduce predictions which provide a consulting solution for economics and intergovernmental policy.


「地球温暖化はよいことです…適度な地球温暖化の正味の効果はポジティブです。」(シンガー)。いずれにせよ、気候の長期変動のダイナミクスと原因を理解することは非常に面白いことです。しかし、気候変動の議論の側面に入ることが、本論文の目的ではありませんでした。ここで議論したポイントは、これまで想定されていた大気効果に物理学的な論拠があるのかどうかについて、疑問に答えることでした。それはありませんでした。

要するに、理論物理学と工業熱力学において大気の温室効果(特に、CO2温室効果)はありません。したがって、経済学と政府間の方針にコンサルティング・ソリューションを提供する予測を推定することは不当なことです。



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