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社会科学に潜む疑似科学と科学の行方を思索するNipponeseのブログ。
温室効果の理解と宇宙気候学の進展私が温室効果に対してもった初期のイメージとしては、比熱が生じるメカニズムをミクロな視点で考えることで、そのアナロジーとして地表と大気の間で付加的な保温効果が生じるのだろう、といったことを考えました。比熱は物質の持つエネルギー準位によって規定されます。しかし、あまりにも高いエネルギー準位は比熱に寄与しません。水蒸気や二酸化炭素は、調度、赤外領域にエネルギー準位を持っており、その放射によるやり取りに注目したものが温室効果ではないかと考えました。
気候感度に関するIPCCワークショップについて(リンク切れのため、キャッシュより引用)TARでは、UKMOモデルによる20世紀気候シミュレーションで、自然起源と人為起源双方の強制力を与えることで全球平均地上気温のトレンド・長期変化を定量的にも再現できることを示していた。その後、いくつかの気候モデルでも同様の結果が出ているが、それらで用いられている強制力は同じではない。異なる大きさの強制力を用いていながら、なぜどのモデルでも20世紀気候再現に成功するのか?どうやら気候感度の低い(高い)モデルでは大きい(小さい)強制力を使った実験を行っているためらしい。




p115、根本順吉、「月からのシグナル」、筑摩書房、1995月は、はじめ地球に入射している流星塵に影響し、次にこれが流星塵を一部としてふくむ下層大気の氷晶核に結果としてあらわれる。そして、最後に、氷晶核の数に関連したグローバルな降水と月齢の関係としてあらわれてくる仕組みが考えられることになるのである。
p117、根本順吉、「月からのシグナル」、筑摩書房、1995ビッグは、氷晶核の起源を、散在流星として直接地球に入射してくるものを考えたのであるが、ヴァンドは次のように考えた。木星族の流星群が、太陽にちかづいたり遠ざかったりする時に、地球の公転軌道を横切り、その時、地球をまわる月の表面に落下、これが毎秒一〇キロくらいの速さで月から脱出してくる。これがテクタイトに似た粒子のせまい流れとなって地球まではね返ってくる。


The high signal-to-noise ratio shows that the lunar nodal spectrum can have a major influence on the Arctic oscillation system, which influences long-term fluctuations in the extent of Arctic ice. The lunar nodal spectrum in the coverage of Arctic ice is a potential influence on the NAO winter index, weather, and climate.


合成の誤謬
私はここで皆さんにお詫びしたいと思います。これまで私はJack Barrettの論考などをもとにして、分子論的な視点から大気からの再放射は微弱ではないかとの考察を行ってきました(CO2による「再放射」の量子収率)。
これは(単発の事象として)ミクロな視点で見れば正しいのですが、(定常的な現象として)マクロな視点から見ると正しくありません。たとえば、下記のサイトの24〜27ページを参照すると、比較的分かりやすいと思います。
基礎物理セミナー レジュメ集 (第 5 章本文)
24ページには、局所熱力学平衡が成り立つ条件として、『衝突による励起/脱励起速度は十分速く, 放射過程よりも衝突過程が支配的である状況』とされ、26ページには、『ただしΦ= a21/A21 である.局所熱力学平衡状態では衝突による励起/脱励起作用が支配的であるので, Φ→ ∞となり, J → B すなわち放射源関数はプランク関数となる』
『Φは, 衝突過程, 放射過程におけるそれぞれの励起状態から緩和する確率a21, A21の比である. この節の最初の議論から期待していたように, Jº ⋍ Bº, すなわち局所熱力学平衡は加熱率が小さいか, 衝突過程が支配的である, すなわちΦが大きい場合に成立する』とあります。
これをまとめますと、「局所熱力学平衡では、分子衝突による励起・脱励起過程が支配的になるために放射源関数がプランク関数で近似することができる」ようになり、その結果、赤外活性分子による大気放射が近似的に黒体放射スペクトルを描くことができるようになるのではないかと考えられます。つまり、無放射緩和過程が支配的であるからこそ、局所熱力学平衡が成り立っており、もし、放射による緩和過程が支配的ならば、局所熱力学平衡は成り立たない、と言い換えることができると思います。
私の視点で欠けていたものは『励起源』としての衝突過程です。つまり、励起状態からの緩和過程のみに注目し過ぎたということです。衝突励起の速度が大きければ、単位時間当たりの励起回数は非常に大きなものとなります。一方、衝突励起、あるいは衝突による脱励起の速度が非常に遅ければ、単位時間当たりの励起回数は非常に少なくなるものと考えられます。
私はボルツマン分布による励起濃度の推定は行いましたが、それ以上の踏み込んだ考察に欠けたため、今回のようにミクロからマクロを結ぶ過程で過ちが生じたのだろうと思います。太陽のような高温な物体が黒体放射を描くのも、衝突による励起・脱励起のサイクルが非常に速いため、定常的な発光強度としてはプランク関数を描くことができるのではないかと考えられます。