スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

宇宙線に誘発される火山活動の可能性

宇宙線が地球に与えている影響は気候だけではなく、地震や火山活動にも影響をあたえているのではないかという説があります。しかしながら、理科年表(2001年、p859 )によりますと、1926~1999年の期間の日本付近の地震数の推移はランダムな事象のように見えます。


earthquake-j



一方、Wikipediaの『小氷期』の項によると、「小氷期の全体にわたって、世界各地で広範な火山活動が記録されている」とあります。また、日本の火山活動については、下記の気象庁のページによりますと、ダルトン極小期と1900年と1950年頃の前後の期間に比較的、集中しているように見えます。これを見る限りでは地震よりも火山活動と太陽活動ないし宇宙線との相関の可能性を探る方がよさそうに思います。


気象庁 | 過去の主な火山災害


しかしながら、世界の地震データを見ますと、2000年を前後した辺りから地震活動の活発化を示すグラフもあります。下記に示す年度ごとの地震放出エネルギーの推移を見ますと、2000年前後から21世紀初頭にかけて地震活動が活発な傾向にあることを読み取ることが出来ます。


quakeenergy


Number of Earthquakes by Year


earthquake energy ratio


Earthquake Energy Rise on Earth:
Tom J. Chalko, NU Journal of Discovery, May 2008


丸山茂徳氏はミランカというネット番組で、まだ検証が確立されていないとの断りを入れた上で、宇宙線がトリガーとなって火山や地震を誘発するキャビテーション現象が促進されているとの説を紹介しています。その直接の論文については見つけることが出来ませんでしたが、丸山氏の仮説とは異なるメカニズムによって地震と太陽活動の関係について述べた論文やサイトなどがありましたので以下に一部紹介します。


(ここで一言加えますと、私がネット上で論文を探した限りで感じたことですが、ほとんどロシアのチームによってしか研究が行われていないということに注意する必要があるかもしれません。提案されているメカニズムに対して、私には納得できないところがあります。地震大国日本のデータを使えば、もう少し詳しいことが言えるかもしれません。)



私はそれらの相関関係について判断を保留してますが、火山活動なら、もしかしたら実験的にメカニズムを検証できる可能性もあるのかもしれないと考えています。実験室レベルの条件下において宇宙線によってキャビテーション現象を誘発し、それを観測することは可能だと思います。


Variations of the cosmic ray fluxes as a possible earthquake precursor:
A. L. Morozova et al., Phys. Chem. Earth (A), 25, 321-324 (2000)


Variations of the number of weak and strong earthquakes for 1977–1998 years and their possible precursors:
T. V. Barliaeva et al., Phys. Chem. Earth (C), 26, 801-805 (2001)


Long-period trends in global seismic and geomagnetic activity and their relation to solar activity:
S. Odintsov et al., Phys. Chem. Earth, 31, 88-93 (2006)


Solar activity and global seismicity of the earth:
S. D. Odintsov et al., Bull. Russ. Acad. Sci. Phys., 71, 593-595 (2007)


Relationship between global seismicity and solar activities:
Gui-Qing Zhang, Acta Seismologica Sinica, 11, 495-500 (1998)


A relationship between solar activity and frequency of natural disasters in China:
Wang Zhongrui et al., Advances in Atmospheric Sciences, 20, 934-939 (2003)


On the relation between solar activity and seismicity:
Gousheva, M.N. et al., RAST 2003, Proceedings of the International Conference on Recent Advances in Space Technologies, held November 20-22, 2003


以下は太陽活動と地震の関係をまとめたサイト


Earthquakes and Volcanoes: Scientific Research from the 1980s and 1990s


Jupiter's Dance


その他の地震関連サイト


THE INDIRECT GRAVITY EFFECT/Planets, Sunspots and Earthquakes


Sunspots vs earthquakes and volcanoes - Astronomy.com Forums


Weather Anomalies and Natural Disasters


木を見て森を見ず:地震発生メカニズムに対する基礎研究の重要性

地球の物理を明らかにしないで地震や火山の現象のみの研究をするのは、事によると、人体の生理を明らかにせずして単に皮膚の吹出物だけを研究しようとするようなものかもしれない。



かくのごとく直接観測し得らるべき与件の僅少な問題にたいしては種々の学説や仮説が可能であり、また必要でもある。ウェーゲナーの大陸漂移説や、最近ジョリーの提出した、放射能性物質の熱によって地質学的輪廻(りんね)変化を説明する仮説のごときも、あながち単なる科学的ロマンスとして捨つべきものでないと思われる。今回地震の起因のごときも、これを前記の定説や仮説に照らして考究するは無用の業ではない。これによって少なくも有益な暗示を得、また将来研究すべき事項に想い到るべき手懸りを得るのではあるまいか。
 地震だけを調べるのでは、地震の本体は分りそうもない。

寺田寅彦、地震雑感


誰も彼もがあてどなく流されている。それに苦言を呈する科学者はほとんどいない欧米のような科学アカデミーがあればいいのだが、日本には存在しない。こういう状況が続けば、政府が掲げる「科学技術創造立国」はそのうち挫折し、「科学技術亡国」になりかねない。


 その兆しは見えている。科学者がこんなふうだと、間違った政策がまかり通るようになる。1978年にできた大規模地震対策特別措置法(大震法)がそうだ。大震法は地震予知計画とともに長い間、「地震は予知できる」という誤解を日本社会に与え続けてきた。政府の中央防災会議は2003年、東海地震対策大綱を作り、予知できなかった場合の被害想定を初めて盛り込んだ。 

『「地震予知」はウソだらけ』解説



もう一つの仮説
火山活動と太陽活動の相関を調べている研究チームによると、太陽活動と地震と火山には強い相関があり、2012-2015年頃に活発になるとの見方を示しています。この予測は次の太陽周期のサイクル24の活動が活発化するとの見込みを行っています。一方、サイクル24はダルトン極小期なみに不活発になるとの予測もあり、議論の分かれるところです。太陽活動が今後どうなるにせよ、今後の火山と地震に注目するこで、この仮説の検証を行うことができます。


On the basis of the discovered stable 11-year and 22-year cyclicalities in the seismic and volcanic activities and their high correlation with solar activity there has been made the long-term forecast until 2018. The next maximum of seismic and volcanic activity with very high amplitude for the compression zones of Earth is forecasted for the period 2012-2015.




Even visual comparison of graphs gives an opportunity to catch a high likeness and some delay of cycles of seismic and volcanic activities of compression rims of the Earth against solar activity. The time of delay is fluctuating from 1,5 to 2 years. The reasoning of such a mechanism of delay was given above.




On all the graphs show another cycle of activity, equal on the average period to 11-12 years. As graph shows, the maximum of the cycle of high solar activity falls on 2012. Thus, the maximums of the cycles of volcanic and seismic activity of compression rims of the Earth fall on 2012-2015, taking into account previously observed time shift. The longest period of volcanic and seismicity activity (4 years), in comparison with solar activity, can be explained by sufficient inertness of geodynamical processes on one hand, and by influence of a whole range of other factors as well as endogenous and cosmic, excepting solar activity on the other hand.




ABOUT POSSIBLE INFLUENCE OF SOLAR ACTIVITY UPON SEISMIC AND VOLCANIC ACTIVITIES: LONG-TERM FORECAST:
Khain V.E. and Khalilov E.N., SCIENCE WITHOUT BORDERS. Transactions of the International Academy of Science H &E. Vol.3. 2007/2008


また、コロナ質量放出(Corona Mass Ejection)を地震を誘発するトリガーとしての可能性を探る研究も行われているようです。しかしながら、地震や火山を誘発するトリガーにはいろいろな説があり、またそれぞれの寄与も定量的な評価が出来るまでには至っていないと思います。今後の研究の進展が望まれる分野だと思います。


Sudden fluctuation in Kp triggers earthquakes and tectonics:
S.Mukherjee, Geophysical Research Abstracts, 7, 00137 (2005)


Change in magnetic field: an early warning system to understand seismotectonics:
S. MUKHERJEE and A. MUKHERJEE, 1st Potsdam Thinkshop Poster Proceedings, p. 139–142

Cosmic Influence on the Sun-Earth Environment:
Saumitra Mukherjee, Sensors, 8, 7736-7752 (2008)


Recent Efforts in Earthquake Prediction (1990–2007)
Ashif Panakkat and Hojjat Adeli, Nat. Hazards Rev.. 9, 70-80 (2008)

theme : 宇宙・科学・技術
genre : 学問・文化・芸術

comment

Secret

プロフィール

Author:TheorySurgery
社会科学と疑似科学の際どい境界線を探りながら、文系と理系の学問の乖離やらを考えています。分光学を視点として温暖化懐疑論も展開してます。

温暖化論を学ぶための入門用ホームページつくりました。↓ ご意見承ります。
| HP | BBS | MAIL|
コメントの返事は遅めかもしれませんが、コメント、トラバ、リンク、議論など、できるだけ対応します。

最近の記事
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

ブログ内検索
最近のコメント
カテゴリー
月別アーカイブ
Favorite song

・Jeff Beck & Jennifer Batten
What Mama Said
・The Black Crowes
Remedy
・Jimi Hendrix
All Along the Watchtower
・Jeff Buckley
Grace
Mojo Pin
・Yardbirds
幻の十年
・Arctic Monkeys
A view from the afternoon
・Jefferson Airplane
White Rabbit
・Beatles
Helter Skelter
・Bad Company
Wishing Well
Joe Fabulous
・Cream
I Feel Free
Crossroads
・Montrose
I Got the Fire
・Eric Clapton
Forever Man
・AC/DC
Dirty Deeds Done Dirt Cheap
・Johnny, Louis & Char
Finger
・Rock'n Roll Standard Club Band

QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSフィード
管理人ホームページ

マスコミに踊らされないための地球温暖化論入門
温室効果ガスの分光学:励起状態ダイナミクス
水蒸気フィードバックと気候感度の妥当性
コンセンサスとは
お勧め図書

管理人掲示板

Eco-logical is non-logical:BBS

World Climate Widget
温暖化懐疑論サイト

『環境問題』を考える
思えばバカな企画だった
ひと味ちがうリンク集
温暖化は進んでいるか
いわゆる「温暖化防止」の罵倒論
地球温暖化は人類の責任ではありません

太陽活動と気候の関係
太陽関連

ひので(SOLAR-B)
ようこう(SOLAR-A)
SOHO (探査機)
宇宙天気ニュース
太陽地球環境研究所
「太陽」に関連したホームページ
J-STORE(明細:黒点数の予測方法)
宇宙の科学 第3章 太陽
The Sun in Motion

温暖化関連
環境団体とか

反捕鯨団体あれこれ
動物保護運動の虚像
クジラ戦争30年
World Hunger: Twelve Myths
ゴールド・トーマス『地底深層ガス』

リンク
フリーエリア

環境問題が解決しないのは、何で?
オーロラの旅
日本の古本屋
オンライン書店比較サイト
The Internet Journal of Vibrational Spectroscopy
Science和文要約
Nature Asia-Pacific
サイエンスポータル
日英・英日機械翻訳(科学技術分野)
エキサイト翻訳
Yahoo!翻訳

疑似科学など

「科学とニセ科学」レジュメ(ver.2)
疑似科学批評(マイナスイオンその他)
ブレジンスキー 『大いなる失敗』
Skeptic's Wiki
OPEN UNIVERSE of the Japan Popper Society
懐疑論者の祈り

最近のトラックバック
MUSIC LINK

脳みそサラダ外科

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。