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微視的な視点からの温度の理解へ向けて

気相中における分子の振る舞いについて


微視的な視点で温度を理解するためには、気相中における分子の振る舞いについての理解を深める必要がある。そこで、文献などから参考になりそうな記述をいくつか抜粋しまとめた(改行、省略は任意)。

気相では溶媒の極性や分極率などの影響を常に受けることはなくなり、衝突を通して周囲の分子の影響を受ける。衝突回数は圧力により決められ、たとえば1気圧の室温の窒素中で1個の窒素分子が受ける衝突頻度は毎秒約7×109回であり、平均して約0.14nsに1回衝突していることになる。衝突により分子は種々の緩和を起こす。緩和時間は分子の種類により変わるが、分子の運動状態にも依存する。最も緩和を受けやすいのは並進運動と回転運動で、数回の衝突でその運動状態は変わるが、振動は一般に緩和を受けにくく、1,000回以上の衝突が必要である。

日本化学会編 『光化学の基礎と先端研究』 学会出版センター、 p3


凝縮相から眺めて分子環境をミクロ化していくと、微小液滴や(サブ)ミクロン粒子にたどり着くが、その中にある蛍光物質の輻射寿命は依然としてなお凝縮相のものと同じで、孤立分子のτr0から凝縮相のτr(n)へ移行する中間の分子環境はどのようなものか解明されておらず、現在でもいわばmissing linkとなっている。

日本化学会編 『光化学の基礎と先端研究』 学会出版センター、 p19


振動状態に変化をもたらす衝突過程はいくつかのタイプに分けられる。衝突の相対運動エネルギーが分子内の振動エネルギーに変換される過程(T-V過程)と一つの振動モードから別の振動モードへエネルギーが移動する過程(V-V過程)とが基本的なタイプであるが、V-V過程に関与する二つの振動モードが同一分子内にあるか、あるいは異なった種類の分子に属するかによって“分子内V-V過程”あるいは“分子間V-V過程”に区別され、また回転状態の同時遷移を強調する場合には、たとえば“振動→回転(V→R)過程”あるいは“振動→並進、回転(V→T,R)過程”などと区別される。このようなエネルギー移動に関する実験的な情報は、外部から加えられた何らかの摂動によって非平衡状態におかれた気体系が何回かの分子衝突を繰り返しつつ平衡状態へ復帰する過程(緩和過程)を観測することによって得られる。

日本化学会編 『非平衡状態と緩和過程』 学会出版センター、 p12


振動エネルギー分布の非平衡状態においては、1)モード内V-V過程、2)モード間V-V過程、3)V-T過程、の三つのタイプの衝突エネルギー移動によって振動緩和が進行する。1)の過程は同一モード内の振動エネルギーをBoltzmann分布に向けて急速に再分配する。2)の過程は異なったモードの振動温度を互いに等しくし、3)の過程は振動温度を並進温度と等しくする作用をもつ。

日本化学会編 『非平衡状態と緩和過程』 学会出版センター、 p43


巨視的な系に起こる変化が微視的過程と異なった新しい法則を示すのは、その自由度の数が圧倒的に大きいからである。このように巨視的な系が統計的な平衡状態へ近づいていく現象すべてを総称して“緩和現象”という。

日本化学会編 『非平衡状態と緩和過程』 学会出版センター、 p196


微視的過程を分子間衝突の種類によって分類してみると、並進の自由度だけが関与する弾性衝突、原子の組み換えを伴わず内部自由度だけが変化をする非弾性衝突と、原子の組換えを伴う反応性衝突とになる。これらの衝突の頻度はそれぞれ異なっていることが多い。常温では弾性衝突の数が非常に多く、その次が非弾性衝突、反応性衝突の順になっている。そのために並進自由度が反応性衝突や非弾性衝突によって平衡分布からずらされたとしても、かなり速く、たとえば10-13秒程度で回復する。

日本化学会編 『非平衡状態と緩和過程』 学会出版センター、 p199


生成物の“発生期(nascent)”の分布、すなわち、衝突によって緩和されない分布を観測するためには、分子が衝突脱活性を受ける前に放射を行うことができなくてはならない。赤外の寿命はミリ秒程度である。このことは実験を極端に低い圧力で行わなくてはならないことを意味するが、これはまたシグナルの強度を減らすことでもある。この両方の条件に合うことを保障する手立てがPolanyiが工夫した“制限緩和(arrested relaxation)法”を使うことである。


この技術では反応を非常な低温、たとえば20K(液体水素によって)に壁を冷やした容器内で行わせる。こうすると容器は低温脱気されるため、すべての生成物や反応しなかった出発物質は壁に凝縮し、排気される前に放射を行う生成物分子だけが観測される。また、低温なので検出器やフィルターの熱雑音や黒体のバックグラウンドを減らすことになり、弱い赤外化学発光のシグナルを観測するための困難を減少できる。

Jeffrey I. Steinfeld, William L. Hase, Joseph S. Francisco 『化学動力学』 東京化学同人、p270


赤外線化学発光の研究を困難にしているもう1つの問題は、励起振動状態の放射寿命が比較的長く(10-3~10-2s)、励起分子が赤外線を放射する以前に共存する分子と衝突して反応直後の状態とは異なる温度平衡状態となりやすいことである。したがって、赤外線化学発光が観測できる反応は、その速度定数が分子衝突によるエネルギー移動速度に比べて大きいものに限られる。すなわち、原子やラジカルの反応で大きな発熱反応熱をもつものが研究対象とされた。

土屋荘次編 『レーザー化学―分子の反応ダイナミックス入門』 学会出版センター、p4


赤外領域の自然発光の寿命は10-3s以上である。したがって、発光強度の積分値が一定とみなせる場合、励起直後の赤外発光の強度は、寿命とほぼ逆比例の関係にある。光励起によって到達した振動準位が、他の非放射性の準位と混合していると、発光の寿命はいわゆるDouglas効果*(Douglas、1966)により引き延ばされる。この結果、発光強度が小さくなる。このようにして、励起直後の発光強度は、振動準位間の混合の程度を表す尺度となる。

土屋荘次編 『レーザー化学―分子の反応ダイナミックス入門』 学会出版センター、p97




ブラウン運動と花粉をめぐる科学者の誤解: 科学者は「裸の王様」

科学の分野で、よく引用される定番の話の中には間違って伝わっているものが少なからずある。これはおそらくもとの文献を読んでいなかったり、あるいは、誰かが間違って引用したものをそのまま孫引きをしたりすることで生じている場合もあるのかもしれない。たとえば、板倉聖宣は『思い違いの科学史』という本の中で、岩波洋造氏の以下の文章を引用し、


ところで、花粉は水の中でほんとうにブラウン運動をするのであろうか。本文中にくわしくのべられているように、花粉の大きさは、ふつう三〇μ(ミクロン)から、五〇μくらいで、大きなものは一〇〇μから二〇〇μもある。こんな大きな粒子が水の分子運動によって起こるブラウン運動をするはずがない。事実、著者は二〇年近くも毎日、花粉を顕微鏡で見ているが、花粉が水の中でびくびく動いているところなど見たこともない。…(中略)…


当時ブラウンが見たのは花粉そのものではなく、花粉の中に含まれているデン粉粒などの細粒子の動きであったからである。今日、多くの人が“花粉を水に入れると動く”と思い込んでいるのは、おそらく最初にブラウン運動を紹介した日本の偉い物理学の先生が、花粉粒の粒と花粉の中の細粒子の粒とを混同して訳してしまったためであろう。これは本に書かれていることが、正しいことのみとはかぎらないことの一例である。(岩波洋造『植物のSEX』一八~一九ページ)

青木国夫他 『思い違いの科学史』 朝日新聞社、p244


上記のように、花粉が水の中でブラウン運動をしない事を告げ、さらに、長岡半太郎の『東京物理学校雑誌』や1935年発行の『岩波物理学辞典』、1953年に出た平凡社の『理科事典』、朝永振一郎編(ブラウン運動の節は花輪重雄執筆)の『物理学読本』、湯川秀樹他『素粒子』など、いたるところで誤った表現がなされていることを指摘している。さらに、次のように述べている。


それは昔、だれか偉い一人の先生が間違えたのをそのままうけついだだけ、とはいえそうにはない。大部分の物理学者は、花粉がさらに壊れて微粒子が出てくるなどということは考えてみたことがないので、たとえ「花粉に含まれている微粒子」「花粉から出てくる微粒子」という言葉を見ても、それも花粉のことだろうと思ってしまう傾向が強いのである。その上、昔から「花粉がブラウン運動をする」という話をきき知っていて、しかも自分自身でその花粉を水に浮かべて顕微鏡で見たことがない、となれば、これでは間違いを訂正しようもない。…(中略)…


すでに、十分研究されている事柄だからといって、それが啓蒙書や教科書に書かれるとき必ずしも正しく書かれるとはいえない。―これは科学の教育や啓蒙に関する研究が科学そのもの研究とは独立に真剣に行われる必要があることを意味している。なにしろ、いまの科学者は啓蒙書や教科書を書くにはあまりにも専門化しすぎていて、そこに書かれることを十分知っているとはいえなくなってきているからである。その弱点が、植物学と物理学の境界の問題であったブラウン運動の話に、集中的にあらわれたというわけである。

青木国夫他 『思い違いの科学史』 朝日新聞社、p260


板倉聖宣が指摘した状況は現在でもあまり改善されている様子はなさそうだ。たとえば、分子生物学の研究者である福岡伸一は、最近、出版された『生物と無生物のあいだ』の中で、こう記している。


原子そのものの動きを直接見ることはできないが、小さくて軽い粒子、たとえば水面に浮かぶ花粉や空気中に浮かぶ霧(微小な水滴)の動きなら顕微鏡を使って追うことができる。すると粒子は絶え間なく非常に不規則な動きをしていることがわかる。これがブラウン運動と呼ばれるものだ。

福岡伸一 『生物と無生物のあいだ』 講談社、p138


しかし、正確に伝えている本も、まったくないわけではない。たとえば、垣谷俊昭は、『光・物質・生命と反応(上)』の中で、こう記している。

1827年にイギリスの植物学者ブラウンは水を吸って破裂した花粉から出る微粒子が水中で不規則に激しく動くことを顕微鏡下に観測し、初め生命による運動と思ったが、化石の粉から鉱物の粉、煙の粒子などまで、粒子さえ微小なら同種の運動をすることを発見した。その後この現象は微粒子を取り巻く多数の水分子がランダムに衝突し、その結果微粒子がランダムに動かされることによることが明らかになった。

垣谷俊昭 『光・物質・生命と反応―物理と化学の視点から〈上〉』 丸善、 p181


マクロな視点からの温度の理解へ向けて


金星におけるCO2の大気量

マクロな視点についても少しだけ述べることにしたい。まず、マクロな量としてCO2の大気量について地球と金星の比較を行った。単位面積当たりの大気量(M)は、大気圧(P)と重力定数(g)を用いてあらわされる。


M = P/g [kg・m-2]


ここで、金星と地球におけるCO2の大気量の比は、


金星のCO2の大気量 / 地球のCO2の大気量 =


(9.3219×106 N・m-2 / 8.87 m・s-2 * 0.965) / (1.013×105 N・m-2 / 9.8 m・s-2 * 0.0004)

= 2.45×105



となる。計算の結果、「金星におけるCO2の大気量は地球のおよそ25万倍である」ことがわかった。CO2の増加により地球が金星大気のように灼熱の惑星になると吹聴するものもいるが、それは今よりもCO2が何万倍にもなり、大気圧が何倍にも変化し始めてから心配すればよいことであり、それはあまりにも非現実的な想定であるといわざるを得ない。


ちなみに、火星の単位面積当たりのCO2の大気量は地球の約47倍ある。しかし、火星の平均気温(-43℃)は真空中の放射平衡温度に近い値を示し、地球や金星のような顕著な昇温効果は観測されていない。


火星のCO2の大気量 / 地球のCO2の大気量 =


( 750 N・m-2 / 3.71 m・s-2 * 0.9532) / (1.013×105 N・m-2 / 9.8 m・s-2 * 0.0004)


= 46.6



大気の持つエネルギー

大気のように単純な分子で構成されている場合、そのモル比熱は分子の内部自由度と比例関係にあることが知られている(分子の運動と比熱)。ここで、地球大気のもつ熱エネルギーは、比熱(Cp)と大気量(M)と温度(T)を用いて表される。


E = CpMT = Cp・P/g・T


E = (1005 J/kg・K)*(1.03×104 kg・m-2)*(288K)

= 2.98×109J・m
-2


ここで、288Kの放射量(390W m-2)あたりの大気エネルギーの比をとると、以下のようにして求まる。


(2.98×109J/m2)/( 390J/s・m2)

= 7641026s = 7641026/(60*60*24) = 88日



この時間は放射の緩和時間とも呼ばれている(金星大気のスーパー・ローテーション)。この計算から、地球大気は三か月分の放射量を溜め込んでいることがわかる。一方、金星はおよそ二万日分と桁違いに大きい(金星大気のスーパー・ローテーション)。


この膨大な大気が持つ比熱によって「ストック」されているエネルギーは定常収支に影響を及ぼすことはない。「フロー」しているエネルギーの入力と出力はほぼ一定であるため、収支は釣り合っているとされている。これは穴の開いた桶に水を入れるようなものだ。桶には一定の水があっても、その水は絶えず入れ替わっている。


このように大気の持つエネルギーは膨大なものだが、それ以上に海洋が蓄えている熱エネルギーは地球環境を理解する上で決定的な役目を果たすと考えられる。水蒸気のモル比熱は36(JK-1mol-1)だが、一方、液体の水のモル比熱は水素結合などの寄与により、75(JK-1mol-1)と特異的に大きな値を示す。


しかし、何よりも、体積にして13.5億km3にも及ぶその海洋の膨大な量が熱エネルギーを溜め込み、地球を「水の惑星」たらしめ、さらに廃熱循環などによりエントロピーを宇宙へ排出することに成功している。「水の惑星」としての地球を理解することが環境問題に対する解決の道筋を与え、さらに、そのようなグローバルな視点は槌田敦の開放系のエントロピー論などを学ぶことで身につくようになるのではないかと思う。


ちなみに、大気の持つエネルギーの式に、E = PVを代入すると、


E = Cp・P/g・T


PV = Cp・P/g・T


g/Cp = T/V


この単位体積あたりの温度(T/V)は、乾燥大気の温度勾配(g/Cp;乾燥断熱減率)をあらわす。金星大気の温度勾配(0.00898 K/m)は、この乾燥断熱減率に近い値を示している。


g/Cp = (8.87 m・s-2) / (843 J/kg・K) = 0.0105 (K/m)


つまり、金星が400℃以上もの高温に保たれている理由は、温室効果による寄与というよりは、90気圧以上もの膨大な量の大気がもつ比熱によって保たれているためと考えられる。


参考:
大気温度はどのように決まるか


Venus Atmosphere Temperature and Pressure Profiles





陸地の水没を防ぐ地熱のアイソスタシー


ユタ大学の地球物理学者ハステロク(Derrick Hasterok)とチャップマン(David Chapman)によれば、北米大陸の標高のおよそ半分は地球内部の熱によるもので、もし地熱がなければ北米大陸の大部分が海面下に沈むだろうと報告している。


しかし、地形は地熱以外にも、大陸地殻の組成や浮力にも影響を受けるため、熱いほど標高が高いと一概に言うことはできない。ハステロックはこれらの要因を除外し解析することで、地熱と標高の相関を見出した。


一方、カナダ北部のある地域では、標高から推定される温度よりも高温の地殻がある。これは、ハステロックによれば、放射性元素が平均以上の濃度で存在し、地表近くの岩石を熱しているためと言う。 この地熱の影響を温暖化のシミュレーションでは、どこまで考慮に入れて行われているのか考えてみるのも面白いかもしれない。


Continental thermal isostasy: 2. Application to North America:
Derrick Hasterok and David S. Chapman, Journal of Geophysical Research, 112, B06415 (2007)


Warm rock keeps North America from drowning (AGU press release no. 07-15)

theme : 宇宙・科学・技術
genre : 学問・文化・芸術

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大気の熱力学への道(その1)

僕が、地球温暖化の学説を疑っているのには、いくつか理由がある。とはいえ疑っているだけではしょうもないので、CO2が強大な温室効果を持つなんて説が成立しているのか、ちょっと調...

comment

Secret

環境問題を考えるというページで
TheorySurgeryの報告書を拝見させていただきました。突然ですが質問をしてもよろしいでしょうか?
>放射が主要な過程になるのは、あくまで大気上層において宇宙へ射出を行うときだけだ。
>下層大気において地球放射に対する二酸化炭素による吸収はすでに飽和しており(温室効果ガスの分光学)、下層大気の放射平衡などいくら計算しても、
>それが大気温度を決める条件にはならない(大気温度はどのように決まるか)。

下層大気でCO2が飽和しきっていることは十分わかりました。でも大気上層のCO2の放射は方向がランダムな方向に行われるのではないでしょうか?宇宙空間にやりとりされる放射もあると思いますが、上層大気におけるCO2の影響というのはどのように把握したらいいのでしょうか?できれば高度ごとにどれだけ吸収してどれだけ熱のやり取りがあるかという考察があって、CO2は飽和しきっているから温暖化と無関係という根拠を知りたいなーって思います。

赤外放射冷却

はじめましてさん、こんにちは。下記のURLが私よりも分かりやすく書かれているので、よろしければ参考にしていただければと思います。Flashつきです。
http://www.geocities.jp/obkdshiroshige/ondanka3/skgup1.html


ところで、飽和の問題だけでなく、CO2の赤外吸収帯の多くは水蒸気の赤外吸収帯と重なっています。つまり、対流圏におけるCO2の赤外活性分子としての働きは限定されたものと考えられます。一方、成層圏やさらに上空の大気に含まれる水蒸気はほとんどありません。また高度の上昇にともない気圧は低下するため、分子衝突により誘起される無放射緩和過程は抑制されていきます。その結果、上層大気におけるCO2は赤外冷却としての働きを無視することができなくなるものと考えられます。


下層大気(対流圏)において何よりも重要なのは、対流や潜熱輸送などによって上空大気への熱輸送を担う水蒸気の働きではないかと思います。地球は水の惑星です。地球放射と重なる赤外活性分子の吸収帯にしても水蒸気が主に担っており、また雲や海洋の複雑な挙動を含め、水の働きを無視して何かを論ずることは不可能に近いことだと思います。

赤外吸収とかその辺り

こんにちは。そのflashとかがあるページを作った猫田白重です。そのページの続きは今後上がる予定。

>CO2は飽和しきっているから温暖化と無関係という根拠を知りたいなーって思います。
◆懐疑論者が「ほとんど飽和している」というと、温暖化論者は「高層は飽和になっていない」というわけですが、
重要なのは高層が未飽和であるかどうかよりも飽和してしまえばそれ以上気温は上がらないということです。飽和以上に温室効果ガスが増えた場合実際吸収の頻度は増すでしょう。では気温は上がるのか?
これをちゃんと説明するにはサボってないでとっとと次を作るしかないんですが、TheorySurgeryさんの記載をよく読めば、実は温暖化論者は単に吸収が増すんだとしか言っておらず結局気温は上がらないということが分かってきます。

猫田さん、こんにちは。シンプルなFlashだけど、相変わらず、いい味出てますね。何だか、久しぶりにおもしろFlashが見たくなりました(笑)。温暖化狂想曲にしても、おもしろFlashで笑えるくらいの時代が来るといいですな。すでに現実にもトホホな感じの温暖化対策が目白押しだったりしますので。

温暖化の根拠の根拠

お久しぶりです。

CO2温暖化の根拠である真鍋モデル二酸化炭素倍増実験はそもそもどうやって温度を上げたのでしょうか?この一番肝心な部分についてはいつもモデルを計算したらそうなったという説明しかありません。本来これが解らないことにはそもそも温暖化説の根拠が不明であり反論してみようもない状態であるとも思います。
ワート2003「温暖化の発見とは何か」によると下層の二酸化炭素による赤外吸収が飽和していることはもちろん知っていて、でも高層では赤外吸収の余地があるからCO2温暖化はありだということになったようですが、(下層での再放射があるにしても)高層からの下向き放射が地表や下層を有意に温めるとは考えにくいし、岩波科学1985.55巻2号の放射代表高度の説明でも、私のサイトに書いたように実際には温度は上がらないようだし。いくらなんでも見かけの透過率を多層に分けたから光学的にスカスカだったとかいうことじゃないでしょうし、どうやったんでしょうか?

お詫びと訂正

お久しぶりです。真鍋さんのモデルを拝見しますと、基本的には放射平衡モデルを用いた考察を行っているように見受けられます。ただし、対流調整を行った後の気温がどのように決定されているのかについてはよく分かりません。

S. Manabe et al., Journal of the Atmospheric Sciences, 24, 241(1967)
http://www.gfdl.gov/reference/bibliography/1967/sm6701.pdf

S. Manabe et al., Journal of the Atmospheric Sciences, 21, 361(1964)
http://ams.allenpress.com/archive/1520-0469/21/4/pdf/i1520-0469-21-4-361.pdf

http://ams.allenpress.com/perlserv/?request=get-abstract&doi=10.1175%2F1520-0469(1964)021%3C0361:TEOTAW%3E2.0.CO%3B2

基礎物理セミナー レジュメ集 ( 第 2 章本文 )
http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~shwlab/seminar/houghton/resume/CHAP02/


私はここで皆さんにお詫びしたいと思います。これまで私はJack Barrettの論考などをもとにして、分子論的な視点から大気からの再放射は微弱ではないかとの考察を行ってきました。これはミクロな視点で見れば正しいのですが、マクロな視点から見ると正しくありません。たとえば、下記のサイトの24~27ページを参照すると、比較的分かりやすいと思います。
基礎物理セミナー レジュメ集 (第 5 章本文)
http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~shwlab/seminar/houghton/resume/CHAP05/


24ページには、局所熱力学平衡が成り立つ条件として、『衝突による励起/脱励起速度は十分速く, 放射過程よりも衝突過程が支配的である状況』とされ、26ページには、『ただしΦ= a21/A21 である.局所熱力学平衡状態では衝突による励起/脱励起作用が支配的であるので, Φ→ ∞となり, J → B すなわち放射源関数はプランク関数となる』
『Φは, 衝突過程, 放射過程におけるそれぞれの励起状態から緩和する確率a21, A21の比である. この節の最初の議論から期待していたように, Jº ⋍ Bº, すなわち局所熱力学平衡は加熱率が小さいか, 衝突過程が支配的である, すなわちΦが大きい場合に成立する.』とあります。


つまり、局所熱力学平衡では、衝突による励起・脱励起過程が支配的になるために放射源関数がプランク関数で近似することができるようになり、その結果、赤外活性分子による大気放射が黒体放射スペクトルを描くことができるようになるのではないかと考えられます。

真鍋モデルは放射平衡だけのモデルだと地表が60℃にまでなっています。対流がないため温室効果ガスの上向き再放射を考慮しても結局大気の窓以外からはほとんど熱を逃がすことができず、地表を60℃にまで上げて大気の窓から熱を逃がすことになります。
対流調整したモデルでは吸収が強くても対流で空気塊が吸収の強くないところまで上がって放射することで熱を逃がすことができるため、地表も15℃程度で済みます。
放射平衡だけのモデルだと、たしかに温室効果は赤外吸収率さえ上がれば増すことができますが、対流がある(つまり正しいとされた方の)モデルではそうではなくなります。しかし偉い先生含めた温暖化論者は赤外吸収が増せば温室効果が増すという説明しかしません。詳細な気温予測のために気候モデルを駆使してがんばっているようですが、がんばっているのは温室効果の後のフィードバック効果や温室効果ガスの増加具合を突き詰めることであって、温室効果の根幹部分は昔も今もほぼ二酸化炭素濃度の対数に比例して温度が上がるというふうにしかなっていないようです。

放射冷却と凝結加熱?

対流調整に関して参考になりそうな資料がありましたので紹介します。下記資料によりますと、「大気中の二酸化炭素は,自身が大気を加熱することが出来ない代わりに,水蒸気を利用して,大気を加熱しているのである。」とのことです。これは少し分かりづらい説明のように思います。この説明では水蒸気がなければ、CO2が増加しても昇温効果につながらないような印象を受けます。果たして、このような解釈が妥当か気になるところです。


「大気の温室効果と気候変動」
http://kagi.coe21.kyoto-u.ac.jp/jp/seminar/2005/reports/051221a.doc

>放射冷却と凝結加熱?

解釈に無理があると思いました。(CO2による凝結加熱への寄与)
放射冷却は(地球放射ー大気放射)で説明がつくのでは?
大気放射が小さい時放射冷却が起きる。

http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kenkyu/ke03.html
図3.6

期待人さん、返事が送れて申し訳ありません。対流調整モデルの詳細については是非検討したい事柄のひとつですね。しかし、私の興味が他に移ったのと、まとまった時間がとれないことから、しばらくは手をつけることはないと思います。コメントありがとうございました。また機会があれば、よろしくお願いします。
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