再放射の可能性について
私が考える温室効果は、再放射によるものではなく、分子衝突によって周囲の分子に運動エネルギーとして赤外励起エネルギーを分配し大気を暖めることだと考えています。エネルギー収支には確かに「再放射」とあります。しかし、下層大気において、温室効果ガスが再放射を行う割合は非常に小さいと私は考えています。基本的には、分子衝突により周囲の分子に運動エネルギーとして分配される割合の方がはるかに高いと思います。もし、大気がよい放射体として働くのならば、放射温度計で大気の温度も測れるはずです。しかし、放射温度計のサイトを見ると次のように説明されいてます。
HORIBA : 放射温度計プラザ「空気は、赤外線の放射エネルギー量が非常に小さい(放射率が小さい)ので、測定することはできません」
HORIBA : 放射温度「大気中に含まれている水蒸気(H2O)や炭酸ガス(CO2)は、特定の波長の赤外線を強く吸収します。このため、大気中で全放射温度計による測定を行うと、被測定物の放射が正しく温度計に伝わらず、精度の高い温度測定は難しくなってしまいます。」
ここで、最も「再放射」を行う可能性がある大気物質を考えてみますと、それはおそらく雲になるのではないかと思います。私は雲の分光特性について知りません。しかし、およそ液体の水と似たような吸収特性を持つものと考えられます。もし、雲からブロードな波長領域において赤外放射が起これば、特に、大気の窓領域の波長(8〜13μm)は大気に吸収されることなく、地表に到達することができると思います。
参考までに、放射温度計を天頂に向けて測定した結果を乗せたサイトがありました(ためしに天頂に向けて温度を測ってみると。。)(赤外線放射温度計)。ここで、9月5日のデータに注目しますと、湿度50%、雲量が3とあり、気温33℃に対して、天頂方向は3℃となっています。放射温度計の検出器の分光特性が分からないので、ここから詳しいことは言えませんが、興味深い結果だと思います(太陽放射に含まれる赤外線の寄与なども気になります)。
私は、温室効果だけでなく、熱浴としての大気の保温効果も重要と考えています。近藤さんとはれほれさんの仰るとおり、昼間は地表の温度の方が大気よりも高いと思います。しかし、夜になれば、大気の窓を通じて地表から宇宙へと放射冷却が進み、大気よりも地表温度の方が急速に冷えることで、ときには地表温度の方が低くなることもあると思います(逆転層)。昼夜を通して考えると、大気の保温効果が平均気温に及ぼす寄与も決して少なくないように思います。

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