経済学における科学の誤用

『フランス革命の理論やマルクス,レーニンの幻想は,抽象的な人間にだけあてはまる。人間関係に関する法則はまだ見つかっていないということを,はっきりと認めなければならない。社会学と経済学は,憶測の科学―つまり似非科学である。』


(アレキシス・カレル「人間 この未知なるもの」 )


この言葉は約70年も前のものだ。カレルが社会学や経済学を似非科学としたのは、マルクスを批判する意味合いも強かったと思う。今では、経済学は確率微分方程式を初めとする応用数学を取り入れることで急速な発展を遂げたかに見える。確率微分方程式は非常に汎用性のある数学的手法だ。


この確率微分方程式の研究によって、伊藤清先生はガウス賞を受賞している。最近のノーベル経済学賞においても、伊藤清先生を初めとする応用数学の分野からの貢献なくしては成り立たなくなってきたといっても過言ではない。


その一方で、経済学において数学・自然科学を誤用した例に、「量子ファイナンス」というものがある。ちなみに、「量子ファイナンス工学入門」はトンデモ本大賞を受賞した。これは少し考えれば当たり前のことで、経済において、例えば波と粒子の性質を同時に持つような量子化された現象が観測される可能性は極めて小さいし、ほぼありえないことだ。


これからの日本においても、科学用語をはったりや言葉遊びの道具として用いる学者がでないことを祈るばかりだ。残念ながら、数学に多少とも縁のある学問であるはずの経済学において、量子ファイナンスというトンデモ学説が主張され、さらに、この研究に文科省からも補助金が出ているとなると、この救いようのない現状に閉口せざるをえない。 コメント
すいません・・・感動していいですか?
特に経済学の科学の誤用は非常に重要な示唆があると思います。
自分も何が科学なのか?という視点にして定義論ができないのですが、誤用として指摘されている人がいたことに安堵感を覚えました


2007/01/26 14:59| URL | 冥王星  [Edit]
経済学自体が虚構ですね
 素晴らしい洞察ですね。
「量子ファイナンス」とは、聞いたことありませんでしたが、言葉自体がふざけた学問です。
「経済のエントロピー」も胡散臭いと思っています。
 資本主義経済もマルクス経済も無限の資源と無限の廃棄場所を前提としていますので、はじめの前提からして話になりません。自然の生態系で循環出来るもの、出来ないものの区別もつけていません。(環境コストに途方もない差があります。)
 「経済成長」という概念自体がとんでもなく危険でHighway To Hell (ジャンジャン♪♪)!だと思っています。


2007/02/03 16:25| URL | 雑草Z  [Edit]
経済成長は、進歩主義的な世界観がもたらしたドグマでしょうね。私たちはみんな、のびた君みたいに、ドラえもんの四次元ポケットがどこかにあるのではないかと錯覚しているのでしょう。栄枯盛衰。

2007/02/04 02:35| URL | thorysgary  [Edit]
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